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三岳(みたけ)信仰とされる屋久島の「岳参り」は、長享二年(1488年)、日増上人の屋久島法華宗布教に始まり、神道である「一品宝珠大権現」と法華宗「一品法寿権現」の習合により開基されました。
島民の全て、各集落がこぞって「岳参り」を行ってきたことは、山岳宗教として全国的にも珍しいものです。
「岳参り」の形態は各集落、基本的に同じですが、それぞれ対象とする山が異なります。
東海岸から南部にかけては三岳(宮之浦岳、永⽥岳、栗⽣岳)を目指す道が開かれ、西海岸では前岳から三岳を遙拝するなどを特徴としています。
近年は、森林軌道や屋久杉搬出用の林道の敷設などの道を利用するようになり、行程の軽減化が図られてきました。
また女人禁制を廃止し、近年老弱男女自由に参加できるようになっています。
現代では自然環境、社会環境の変化により「岳参り」の風習は大きく変化し、過去から延々と伝承されてきた姿はほとんど見ることはできなくなっています。
往古より絶えることなく続いている集落もあれば、衰退した集落もあり、宗教的伝統の存続が模索されています。
※写真は永田岳