そのむかし、銀山平一帯は狩猟やマス漁をする人以外訪れる人もいない辺境の地でした。
しかし寛永18年（1642年）銀鉱脈が発見され、未開の地に空前のシルバーラッシュが起きました。
採掘した銀を江戸の銀座に運ぶための唯一のルートが銀山街道であり、その峠が枝折（しおり）峠(1236m)でした。
（現在は、国道352号の峠を枝折峠、こちらを明神峠といっています）
只見川上流の銀採掘現場、買石原（かいしはら）と物資輸送基地の小出島（こいでじま）を結ぶ佐梨（さなし）川や北ノ又川沿いには8カ所の宿場が設けられ、『小出町史』によれば、米の運搬記録から当時の銀鉱山には1000〜1500人程度が働いていたものと推定されています。
しかし万延元年（1860年）には200年以上続いた鉱山の歴史にも終止符が打たれました。
最盛期には民家が1000軒あったと言われる町並みは奥只見湖ダムの底に沈み、枝折峠も廃道に近い姿になっていましたが、地元の老人クラブが藪を刈り払いし、「銀の道」と命名して息を吹き返しています。日本の遊歩道百選にも選定され、トレッキングなどが実施されて、次第にこの古道を訪れる人が増えています。
※写真は、別名、銀山湖とも言う奥只見湖。
