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和歌山県にある高野山は弘法大師空海が開いた真言密教の根本道場です。
平安時代後期になって京都の皇族や貴族が遠路はるばる参拝しはじめたのをきっかけに、多くの人々の信仰の対象となり、中世から近世にかけて貴賎貧富の別なく、多数の参詣者を受け入れてきました。
山上伽藍の広がる東西6km、南北3kmの盆地には、大門口、不動坂口、黒河口、大峰口、大滝口、相浦口、龍神口と七つの入口があり、高野七口とよばれています。それぞれの口から町石道、京大坂道、黒河道、大峰道、熊野古道小辺路、相ノ浦道、有田龍神道が延びていました。
また、長らく女人禁制であったため、女性は各口より奥には入ることができませんでした。各口には女人堂がつくられ、女性参詣者はそれらをむすぶ女人道をめぐっていました。
これらのうち、昔の古道の状態がよく保存されている、町石道、京大坂道不動坂、黒河道、女人道さらに町石道に合流する三谷坂の五つの古道が高野山参詣道として世界遺産に指定されています。
※写真は、根本大塔。大日如来を中心とした金剛界曼荼羅の世界を表現しています。