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日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

61 塩の道・千国街道 地蔵峠・大網峠

牛馬や人が塩を担いで運んだ生活の道

「塩の道」は、越後糸魚川の海岸で精錬された「塩」が信州松本まで運ばれた道です。
大名が通った道でも参詣の道でもなく、生活必需品の「塩」が四季を通じて日本海から松本まで運ばれた庶民の道でした。
三十里約120kmにわたるこの道は、至る所に宿場があり毎月決まった日に市が開かれていました。
十日市、七日市、一日市場などの地名はその名残です。
また神社仏閣など古刹が多く、道中の安全を祈願した地蔵や途中で倒れた牛馬を弔った馬頭観音などの石仏も至るところにあり、道標となっています。
塩の道は道の状態から大きく三つに分かれます。
先ず松本から安曇野を経て大町まで水田の脇を歩く平坦な道、途中にわさび田があります。
次いで大町から四ッ谷(白馬)までの山際や山中を通る道、仁科三湖映る鹿島槍が美しい。
そして四ッ谷(白馬)から親ノ原を通り千国に出て小谷、姫川温泉(平岩)から大網峠あるいは鳥越峠を越え戸土に至る深い谷の道。冬は深い雪に覆われます。
四季美しく展開する北アルプスを眺めながら随所にある名所旧跡を辿って歩くと、「塩の道」のもつ歴史と文化を理解することが出来ます。
水田の構造改善や道路改修で塩の道のかなりの部分が消えてしまいましたが、千国に残る牛方宿や大網に残る塩倉などを見ればその頃が偲ばれ、石仏などを探しながら歩くとかつての塩の道が鮮やかに蘇ってきます。
※写真は、親ノ原からの白馬三山の眺め。

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