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白山は一年の半分以上も白い雪で覆われ、いにしえより「越(こし)のしらやま」と仰がれ、稲作の水の源である水神の宿る山として崇められてきました。
奈良時代の養老元年(717年)、越前の修験僧泰澄(たいちょう)大師が弟子の臥(ふせり)と浄定(きよさだ)の行者と共に、白山の主峰御前ヶ峰に登頂し、転法輪窟(てんぽうりんのいわや)に籠り、翠ヶ池で祈念し、白山妙理大菩薩の本地(仏の姿)である十一面観世音菩薩、次いで大汝峰で阿弥陀如来、別山で聖観世音菩薩を感得し、白山開山を果たしたと伝わります。
白山は美濃・越前・加賀の三国にまたがり、白山を水源とする美濃の長良川、越前の九頭竜川、加賀の手取川の中流域に祀られる社寺を馬場として、平安時代の天長九年(832)に美濃・越前・加賀の三禅定道が開かれました。
美濃馬場には長滝白山神社、越前馬場には平泉寺白山神社、加賀馬場には白山比咩(しらやまひめ)神社が鎮座し、禅定道の起点としての役割を担っていました。
※写真は、大汝峰から望んだ御前峰です。