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日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

25 飯豊山古道

福島のへその尾となった山岳登拝の山

飯豊山は今から約1,300年前に山岳修験山のとして開かれたと言われます。
その後、新潟、山形、福島3県の山麓部を中心に五穀豊穣、家内安全、男子が大人になるための成人儀礼で登る庶民信仰の山として賑わいました。
参拝前には三日三晩、別火水行で身を清め「あまつ神 くにつ神 はらいため 清めため 御山繫盛」と唱えながら登ったとの言い伝えもあります。
四季を通じて雪を頂き、人を寄せ付けない威容と神霊を覗わせる眺めは、なにものにも替えがたく、男子は13歳から15歳を迎えると白装束で山頂神社参拝を行い、帰ってからの村の作業には一人前の大人として迎えられる成人への証でもありました。
その参詣道も明治19年、東蒲原郡が新潟県に編入されると飯豊山がどちらに帰属するかという県境をめぐる争いが起き、三国岳から本山を経て御西岳まで約1m幅の登山道と境内地が福島県に属することとなり、その形状が「福島のへその緒」といわれる由縁です。
終戦後は、女人禁制も解除され、信仰の山としての慣習を保ちながら、多くの登山者が訪れる山となりました。
※写真は、駒形山付近からの飯豊本山

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