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九州脊梁山地(九州山地)の尾根を椎葉村(宮崎県)と肥後(熊本県)を結ぶ2条の山岳古道があります。
熊本県山都町(元の蘇陽町)馬見原から向坂山(1684m)、白岩山(1646m)、扇山(1661m)から椎葉村に至る東の道を「霧立越」といい、遠見山(1268m)、三方山(1577m)、高岳(1563m)、国見岳(1739m)、五勇山(1662m)から椎葉村に至る西の道を「向霧立越」といいます。
霧立越の稜線を南北に繋ぐ約12kmの尾根伝いの径は良く整備されて歩き易く、多くのハイカーに親しまれています。
向霧立越は、中世に阿蘇氏が拠点を構えていた矢部町浜町(現山都町浜町)と椎葉村とを南北に結ぶ古道で、古くは那須往還と呼ばれていました。
両古道とも昭和の初めに国道265号が開通するまでは重要な交易路として、人々の移動や地域の産物や生活物資を馬や牛などの背に乗せて運ぶ「駄賃付け」の径として利用されました。
※写真は、向霧立越の遠見山登山口