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《修験者の道》
原始の時代から火を噴く阿蘇は信仰の対象として崇められ、これに山岳仏教が結びつき、多くの修行僧が集まりました。
阿蘇山上には最大36坊52庵の宿坊があったといいます。
多くの修行僧は阿蘇神社を発し、藤谷神社を経て馬ノ背と呼ばれる砂礫と岩稜帯を登り、山上本堂を目指したと思われます。
江戸時代には加藤清正によって再興された西巌殿寺を中心にして、よりなだらかな西側の原野のルート(黒川ルート)が多用されるようになりました。
《外輪山を越える道》
阿蘇の外輪山を越える道の多くは、南阿蘇外輪にあります。
江戸時代~昭和においては、南阿蘇外輪越えの峠道は「あそ道」として、阿蘇参り信仰などに使われ、村で維持されてきました。
とくに駒返峠は中世~戦国時代の武士団、阿蘇氏の軍用の道であり、加えて信仰や湯治の道として、歴史的にも地理的にも重要な幹線として使われてきました。
なお、この古道はかなりの部分で九州自然歩道と重なり、ハイキングコースとしても楽しめます。
※写真は、阿蘇山修験者の道(馬ノ背ルート)