single-kodo120selections

日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

112 宝満山古道

人々に愛される歴史と信仰の霊峰、宝満山

福岡県の中央部に位置する宝満山は、古くは「御笠山」や「竈門山」の名で親しまれてきました。麓には竈門神社が鎮座し、山頂の巨岩の上にはその上宮をいただく、古来より信仰の篤い山です。
宝満山の歴史は、約1300年前に太宰府政庁が置かれた際、東北の「鬼門」を守護する山として多くの神々が祀られたことに始まります。山中からは祭祀遺物も出土しており、古くから重要な聖域であったことが裏付けられています。また、仏教との関わりも深く、伝教大師最澄が渡唐前に安全を祈願し、帰国後には宝塔を建立した歴史も残されています。
さらに、役行者が開いたとされる修験道の道場としても名高く、英彦山や孔大寺山へと続く修行の道筋は今も大切に守られています。明治時代の廃仏毀釈により多くの宿坊が失われるという苦難の時期もありましたが、2013年にはその歴史的価値が認められ、国の史跡に指定されました。
現在では、豊かな自然と深い歴史を併せ持つ山として、一年を通じて多くの登山者が訪れています。時代を超えて人々の祈りを受け止めてきた宝満山は、今もなお福岡を代表する霊峰として親しまれ続けています。
※写真は宝満山山頂の拝礼岩

Page Topへ