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日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

101 津和野街道 生山峠

津和野藩を支えた道、語り継ぐ殉教の道

津和野藩の参勤交代道であった津和野街道は、石見国・津和野と安芸国・廿日市を結ぶ73kmの街道でした。
津和野藩は広島藩と合意の上、廿日市に上方との中継基地となる御船屋敷を構え、多数の船、蔵、屋敷を持ち、参勤交代のみならず上方との交易に使用していました。
津和野街道には険しい西中国山地を越える二か所の峠越えがあり、その一つが津和野に近い杉ケ峠(すんがたお)と街道随一の難所生山峠(なまやまとうげ)があります。
参勤交代の経路として利用されたこの道は、津和野藩の経済活動や文化交流だけでなくさらに幕府の隠れキリシタン弾圧の歴史とも深く結びついています。
幕末にはまだ禁令だったキリスト教信者が長崎で多数捕縛され(浦上四番崩れ)その一部153人が津和野藩の船屋敷へと送られ、津和野・乙女峠の寺に配流・幽閉され長く苦難の旅を辿りました。
その悲哀は信者の巡礼の道として今に続いています。
この古道は、津和野藩の歴史と文化、キリシタンの信仰、そして自然の美しさと厳しさが結びついた貴重な遺産です。
その多面的な魅力は、訪れる人々に歴史の重みや自然の豊かさを伝えています。
※写真は、津和野を出て間もない杉ケ峠手前の笹山から望む津和野の象徴青野山です。参勤交代で津和野を離れる一行にはそれぞれに感慨深いものがあったことでしょう。

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