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日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

95 因幡交流鉄の道 江浪峠

たたら製鉄と盛衰をともにした街道

江浪峠越は、鳥取県八頭郡若桜町と兵庫県宍粟市千種町をつなぐ中国山地越えの古道です。
千種地域は古来たたら製鉄で栄えた地域であり、現在でも鉄山のあとが残っています。
たたら製鉄に必須の木炭の供給元のひとつが、山をこえた因幡の若桜地方でした。
近世までの江浪峠越は若桜町の吉川と千種町の西河内を結ぶ細い峠道にすぎず、通行する者も多くはありませんでした。
しかし、元禄時代にたたら製鉄の原料となる木炭を因幡側から大量に輸送することをめざして、峠道が拡幅、整備されたことにより、それまで小通峠と大通峠の二つの峠を越えて結ばれていた両地域の距離が大幅に短縮されることになりました。
近代になってたたら製鉄は下火になり、江浪峠越もかつての賑わいを失いましたが、昭和にいたるまで兵庫県と鳥取県をつなぐ交通路として機能していました。
しかし、鳥取県・兵庫県によって県道に指定されたあとも、江浪峠をまたぐ数キロの区間は未舗装のまま残り、現在も自動車は通行できません。
その分昔の街道の面影がまだ残されています。
※写真は江浪峠の地蔵尊

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