single-kodo120selections

日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

47 榛名山古道

多様な信仰が混在する霊峰榛名への道

群馬県中西部にそびえ四方に大きくすそ野を広げる複式成層火山の榛名山は、赤城、妙義とともに「上毛三山」の一つに数えられています。
榛名山に対する信仰は山麓の人々による祖霊信仰に始まり、その後、神道、仏教、修験などと深くかかわり、政治勢力にも大きく影響されながら、現在に至っています。
特に中世末以降、その信仰は現在の高崎市榛名山町にある上野国六宮の榛名神社を中心にして、時の有力者や布教活動を行う榛名御師たちにより関東一円に広まり、さらに榛名講によって信濃(長野県)や甲斐(山梨県)、越後(新潟県)などにまで広がったと言われています。
榛名神社は平安時代にまとめられた延喜式神名帳に載る歴史ある神社ですが、その後、神仏習合が進み、明治初期の廃仏毀釈で仏教色が一掃されるまで寺院支配が続きました。 
榛名山への信仰の道は主に榛名神社を目指す形で山麓各地から延びています。
特に東山道から松井田、倉渕を経て榛名神社へ至る道と、江戸期になると中山道から信州街道を経て室田から榛名神社を目指す道が、特に各地に広がる信者の参詣道として歩かれたものと思われますが、これらの2道は一般県道安中榛名湖線、主要地方道渋川松井田線などの舗装道路と交錯したり、重なったりしています。
山麓の村々からの道は卯月八日(現在は5月5日)の榛名神社詣でなどで、近現代まで榛名山信仰の道として歩かれ続けてきたものと思われ、少なくとも昭和30年代頃までは小学校、中学校の遠足などで登ったという話もよく聞かれます。
※写真は、岡崎からの道を登って榛名湖へおりる湖畔手前の風景です。

Page Topへ