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日本山岳会が選ぶ「日本の山岳古道120選」

29 佐渡三山駆け

子を背負って駆けた信仰の道

日本海に浮かぶ佐渡島。
北に大佐渡山系、南に小佐渡山系、その間には穀倉地帯の国中平野が広がります。
佐渡島の最高峰、金北山と檀特山、金剛山は「佐渡三山」と呼ばれ、古くから信仰の対象になっていました。
ここでおこなわれる「三山駆け」は、男子3歳、あるいは5歳になると父親は親戚の人(兄弟や血筋濃い男性)を頼んで、交代で子どもを背負い三山の嶺を駆けるという風習で、昭和の初め頃まで盛んに実施されていました。
また、青年(大人)になってからも、集落や地区によってルートや時期は違うものの三山駆けがおこなわれていました。
中世、佐渡の修験の徒(山伏)が、吉野、熊野、大峯を駆ける「三山形式」あるいは「三尊形式」を佐渡三山で実践していたものが由来だと言われています。
現在ではルートの多くを、佐渡の豊かな自然を満喫するハイキングコースとして楽しむことができます。
なお、金北山へのルートは
(1)相川からスカイラインに沿って妙見山からのルート
(2)真光寺口
(3)中興口
(4)片辺口
(5)両津加茂口
がありますが、その多くが観光道路や林道、防衛省管理道路となっているため、
今回の調査は、古く麓に里寺があった新保集落の栗ヶ沢を入り口としました。

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